習慣形成をマーケティングへ:きっかけ・行動・報酬・継続を設計する
一度の利用を反復へ変えるために、行動のきっかけと報酬を顧客価値から設計する。
習慣は意志ではなく、文脈に結びついた自動性
習慣は、同じ行動を何日続けたかだけではない。特定の文脈や手がかりに触れたとき、過去に反復した行動が自動的に起こりやすくなる傾向である。したがって継続率が高くても、毎回強い意志や特典が必要なら習慣化したとは言い切れない。
Woodらの研究は、環境の文脈が変わると習慣的行動が崩れ、意図の影響を受けやすくなることを示す。これは新生活、引っ越し、入社、月初などの変化点が新しい行動を提案する機会になる一方、既存ユーザーの習慣が崩れる離脱リスクにもなることを意味する。
企業は『毎日使わせる』を目的にせず、顧客が価値を得る自然な頻度を探す。旅行予約サービスを毎日開かせる必要はない。家計簿なら決済直後、学習サービスなら通勤開始時など、ジョブが発生する文脈へ小さな行動を結びつける。