ブランド成長はファンの濃さだけではない:浸透率と市場構造を読む
ロイヤル顧客だけに依存せず、購入者の裾野と買いやすさからブランド成長を捉え直す。
NBD-Dirichletは市場の基準線であり、万能な決定論ではない
NBD-Dirichletモデルは、カテゴリー内の購買頻度とブランド選択を確率的に記述し、ダブルジョパディなど複数の経験則を予測する。小規模ブランドは購入者が少ないだけでなく、平均購買頻度もやや低くなりやすい。ここから、少数ファンの頻度だけで大幅成長する計画の難しさが分かる。
ただし『あらゆる市場に完全に同じ式が当てはまる』『売上は一つの変数だけで自動的に決まる』と断定してはいけない。モデルは観測期間、カテゴリー定義、購買機会、ブランドの分割などに依存する。逸脱するブランドや市場もあり、実データとの適合確認が必要である。
Ehrenberg-Bass Instituteも、ダブルジョパディという経験現象と、それを予測するDirichletモデルを区別している。理論を信仰するのではなく、自社データが基準線からどこで外れるかを見る。その差が、流通制約、契約構造、利用場面、ターゲット偏重を発見する材料になる。