CHAPTER 02 / CHECKどこまで使えるかを、別の角度から確かめる
4. 企業の公開情報を読むときの使い方
企業の公開情報を読むときの使い方
三菱UFJフィナンシャル・グループでは「会計情報から持続的な利益と価値を見積もる」が顧客接点や事業KPIにどう表れているかを見ます。三井住友フィナンシャルグループでは「一時利益と本業の収益力を混同する」を避ける仕組みがあるかを確認します。SBIホールディングスでは「残余利益と帳簿価額から期待を検証する」という視点で、施策が売上だけでなく利益やキャッシュにつながっているかを追えます。
5. 実務で試す三つのステップ
第一に、会計情報から持続的な利益と価値を見積もるという主張を、自分の仕事の一場面に置き換えます。
第二に、一時利益と本業の収益力を混同する状態が起きている証拠を一つ集めます。第三に、対象と期間を絞った小さな変更を行い、変化が出るまでの期限を決めます。
「会計情報から持続的な利益と価値を見積もる」を試す前に、「何が動けば続けるか」「何が変わらなければ見直すか」を書きます。『アナリストのための財務諸表分析とバリュエーション』の価値は、都合のよい答えを作ることではなく、結果を見る前に判断基準を置けることにあります。
6. 成果を数字で確かめる
成果の確認では、残余利益と帳簿価額から期待を検証することが軸になります。
テーマに近い顧客行動や現場行動を先に置き、その後に売上、利益、必要なら在庫・投資・キャッシュへの影響を追います。一つの結果指標だけで良し悪しを決めないことが大切です。
「残余利益と帳簿価額から期待を検証する」という数字が動かなかったときは、実行量、対象設定、本書から立てた仮説のどこに問題があったかを分けます。この振り返りまで行えば、『アナリストのための財務諸表分析とバリュエーション』の書評は要約ではなく、次の判断を変える材料になります。
このサイト独自の読み方アナリストのための財務諸表分析とバリュエーションを自分の仕事で使うなら
『アナリストのための財務諸表分析とバリュエーション』が示す答えは、「本書の主張を「会計情報から持続的な利益と価値を見積もる」の一文にまとめ、いまの仕事で試す場面を一つ選ぶ」である。本書は、この考えを会計・収益モデルの判断にどう使うかを説明する。
アナリストのための財務諸表分析とバリュエーションを施策集として読むのではなく、誰が、どんな状況で、何を変えたいのかから読み直す。特に「本書の主張を「会計情報から持続的な利益と価値を見積もる」の一文にまとめ、いまの仕事で試す場面を一つ選ぶ」は、顧客の属性ではなく欲求と選択場面まで具体化すると使いやすい。
あわせて考えたい視点顧客が置かれた状況 / 行動を止める理由
FIGURE 02 / 現場で試す順番