先に答え:この本は何に使える?
合理モデルとの差を観察する。この考え方を自分の課題に当てはめたいなら、『Misbehaving』を読む意味がある。
この本の考え方は、現実でも使えるか
『Misbehaving』が示す答えは、「合理モデルとの差を観察する」である。本書は、この考えを行動経済学・選択の判断にどう使うかを説明する。
使いやすい条件
- 行動経済学について、知識の収集ではなく具体的な判断基準がほしい人
- 「一つの心理仮説を実験する」を自分の仕事や生活で試したい人
そのまま使わない方がよい条件
- 行動経済学の全体像より、すぐ使えるチェックリストだけを短時間で探している人
- バイアスを利用した短期転換が顧客不利益を生むと、規制と離反を招くを受け入れにくい人
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Richard H. Thaler/W. W. Norton/2015年/ISBN 9780393352795/英語版
本書は、何をどう説明しているか
『Misbehaving』は、人は標準経済学の合理人ではなく、所有、損失、勘定の分け方、社会規範に左右されるという視点から、合理モデルから外れる行動を異常として捨てず、予測可能な差として実験する方法を示す。本稿では内容紹介にとどまらず、同じ金額でも損得の見せ方、所有感、既定値によって判断を変える状況を起点に、根源的な欲求、行動障壁、同じ目的を満たす別の選択肢、事業KPI、財務への波及まで検討する。
1. いちばん伝えたいことと、本書固有の射程
いちばん伝えたいことと、本書固有の射程
『Misbehaving』の核は、人は標準経済学の合理人ではなく、所有、損失、勘定の分け方、社会規範に左右されるという主張にある。合理モデルから外れる行動を異常として捨てず、予測可能な差として実験するという考え方は、施策を増やすための型ではない。現状の意思決定で何を成果と誤認し、どの前提を検証できていないかを明らかにするために使う。



