CHAPTER 02 / CHECKどこまで使えるかを、別の角度から確かめる
5. 数字で確かめる
本書の考えを確かめる主な指標は、参加者数、成立率、流動性、補完サービス数、不正率、面別収益です。
すべてを同時に追うのではなく、顧客行動を示す早めに変化が表れる指標を一つ、売上や利益へつながる結果指標を一つ選びます。数字の定義、期間、対象を固定し、前後や対象群との差を比較します。
売上が増えた場合も、人数、利用頻度、単価、継続のどれが動いたかへ分解します。利益なら粗利、獲得費、運用費、解約後の損失まで見る必要があります。良い顧客体験が増えたのか、値引きや人的対応で数字を一時的に作ったのかを区別できます。本書に沿って、参加者数、成立率、流動性、補完サービス数、不正率、面別収益の変化まで確認します。
定量データだけでは理由が分からず、定性情報だけでは大きさが分かりません。参加者数、成立率、流動性、補完サービス数、不正率、面別収益の変化を確認したうえで、該当する顧客の行動履歴と発言を少数でも読みます。数字と具体的な一人を往復すると、平均値では消える成長のきっかけや離脱の兆候が見つかります。
6. 事例から学ぶ
Amazon Marketplaceは出品者の増加だけでなく、レビュー、配送、保証で買い手の不安を減らした。
この事例を読むときは、成功した企業の名前より、開始時の顧客状況に注目します。顧客が以前使っていた代替手段、切り替えを妨げた不安、最初に変わった行動、企業側に必要だった能力の順で整理すると、成功談が分析材料になります。
競合も同業他社だけではありません。同じ時間、予算、注意を奪い、同じ欲求を満たす代替行動まで含めます。何もしない、社内で対処する、別カテゴリの商品を使うという選択肢は、価格表には載らなくても強い競合です。本書の方法が勝てる相手と勝てない相手を分けます。『プラットフォーム・ビジネスの条件』では、Amazon Marketplaceは出品者の増加だけでなく、レビュー、配送、保証で買い手の不安を減らしたという事例が比較の手掛かりになります。
自社へ移すときは、事例との違いを先に三つ書きます。ブランド認知、チャネル、顧客との関係、規制、原価、組織能力の差があれば、同じ施策でも結果は変わります。似ている点を探すだけでなく違いを明示することで、模倣ではなく自社向けの仮説になります。『プラットフォーム・ビジネスの条件』では、Amazon Marketplaceは出品者の増加だけでなく、レビュー、配送、保証で買い手の不安を減らしたという事例が比較の手掛かりになります。
7. 使うときの注意点
最大の注意点は、ネットワーク効果を唱えるだけでは、品質低下やマルチホーミングによる流出を防げないことです。
魅力的な考え方ほど適用範囲を広げたくなりますが、万能な方法はありません。著者が扱っていない顧客、低頻度市場、規制産業、危機時の条件でも同じかを問い、使えない場面を先に決めます。
また、短期の反応と長期の価値を分けます。クリックや申込が増えても、期待とのずれで利用や継続が下がれば成長にはなりません。逆に、初期費用が増えても顧客が早く価値へ到達し、問い合わせや解約が減るなら投資として合理的な場合があります。特に、ネットワーク効果を唱えるだけでは、品質低下やマルチホーミングによる流出を防げないという条件を忘れないようにします。