CHAPTER 02 / CHECKどこまで使えるかを、別の角度から確かめる
4. 企業の公開情報を読むときの使い方
トヨタ自動車では「組織の目的を顧客への成果で定義し、強みを成果へ変える」が顧客接点や事業KPIにどう表れているかを見ます。
キーエンスでは「社内活動の多さを成果と取り違える」を避ける仕組みがあるかを確認します。リクルートホールディングスでは「顧客価値、生産性、資本効率を同じ目的から評価する」という視点で、施策が売上だけでなく利益やキャッシュにつながっているかを追えます。
5. 実務で試す三つのステップ
第一に、組織の目的を顧客への成果で定義し、強みを成果へ変えるという主張を、自分の仕事の一場面に置き換えます。
第二に、社内活動の多さを成果と取り違える状態が起きている証拠を一つ集めます。第三に、対象と期間を絞った小さな変更を行い、変化が出るまでの期限を決めます。
「組織の目的を顧客への成果で定義し、強みを成果へ変える」を試す前に、「何が動けば続けるか」「何が変わらなければ見直すか」を書きます。『マネジメント[エッセンシャル版] 基本と原則』の価値は、都合のよい答えを作ることではなく、結果を見る前に判断基準を置けることにあります。
6. 成果を数字で確かめる
成果の確認では、顧客価値、生産性、資本効率を同じ目的から評価することが軸になります。
テーマに近い顧客行動や現場行動を先に置き、その後に売上、利益、必要なら在庫・投資・キャッシュへの影響を追います。一つの結果指標だけで良し悪しを決めないことが大切です。
「顧客価値、生産性、資本効率を同じ目的から評価する」という数字が動かなかったときは、実行量、対象設定、本書から立てた仮説のどこに問題があったかを分けます。この振り返りまで行えば、『マネジメント[エッセンシャル版] 基本と原則』の書評は要約ではなく、次の判断を変える材料になります。
このサイト独自の読み方マネジメント[エッセンシャル版] 基本と原則を自分の仕事で使うなら
『マネジメント[エッセンシャル版] 基本と原則』が示す答えは、「本書の主張を「組織の目的を顧客への成果で定義し、強みを成果へ変える」の一文にまとめ、いまの仕事で試す場面を一つ選ぶ」である。本書は、この考えを組織・リーダーシップの判断にどう使うかを説明する。
マネジメント[エッセンシャル版] 基本と原則を施策集として読むのではなく、誰が、どんな状況で、何を変えたいのかから読み直す。特に「本書の主張を「組織の目的を顧客への成果で定義し、強みを成果へ変える」の一文にまとめ、いまの仕事で試す場面を一つ選ぶ」は、顧客の属性ではなく欲求と選択場面まで具体化すると使いやすい。
あわせて考えたい視点顧客が置かれた状況 / 行動を止める理由
FIGURE 02 / 現場で試す順番