CHAPTER 02 / CHECKどこまで使えるかを、別の角度から確かめる
6. そのまま使うと失敗しやすい点
最も注意したいのは、道具の数を試すことが目的になると、顧客課題も実現条件も弱い案が増えることです。
印象に残る言葉だけを切り出すと、本書が示す条件や順序が抜け、以前と同じ行動へ新しい名前を付けただけになります。
使える範囲を決めるには、対象者、目的、期間、失ってはいけない価値を明記します。考具と異なる説明でも同じ結果が起きる可能性を残し、結果が弱いときは方法より先に前提を見直します。
7. おすすめする人と読後の問い
考具は、企画、広告、商品開発、学生におすすめです。
企画会議で最初の無難な案から広がらず、評価だけが早く始まるという悩みを、根性やセンスだけで片づけず、観察と選択の問題として扱いたい人ほど持ち帰りが多いでしょう。
読み終えたら、「自分は何を当たり前だと思っていたか」「その前提で困るのは誰か」「一つの課題で判断を止めず、15分で量を出してから異なる二案を組み合わせると何が分かるか」の三問に答えます。答えを一枚にまとめると、知識が行動へ移りやすくなります。
最後に、案数だけでなく、顧客の反応、選択肢の差、試作までの速度を追うという確認方法を予定へ入れます。本を読んだ満足感と仕事の改善は別です。試す日、振り返る日、やめる条件を先に決めることで、学びを小さな成果へ変えられます。
8. 一週間で理解を深める読み方
一週間で理解を深める読み方
初日は『考具』の目次を眺め、自分がいま抱えている「企画会議で最初の無難な案から広がらず、評価だけが早く始まる」という悩みに近い章へ印を付けます。最初からすべてを覚えようとせず、現在の判断に必要な問いを一つ持って読むと、重要な箇所と補助的な事例を分けやすくなります。
三日目までに、印象に残った考えを自分の言葉で百字にし、「一つの課題で判断を止めず、15分で量を出してから異なる二案を組み合わせる」という行動へ変えます。本の言葉をそのまま社内へ持ち込むのではなく、誰に、いつ、何を試すのかを書き足します。関係者へ説明して違和感を聞くと、理解の抜けも見つかります。
一週間後は「案数だけでなく、顧客の反応、選択肢の差、試作までの速度を追う」という観点で、実際に起きた変化を振り返ります。変化がなければ読書を失敗と考えず、対象が広すぎたのか、方法が難しかったのか、前提が違ったのかを分けます。この振り返りまで行うことで、本書は知識の収集ではなく次の判断を良くする材料になります。
9. 『考具』ならではの注目点
発想力を才能にせず、情報を集め、広げ、組み合わせ、企画へまとめる道具として扱う。
その動きを支えるのが、カラーバス、マンダラート、アイデアスケッチなど複数の考え方を使い分けるという考え方です。出発点になる問題は「企画会議で最初の無難な案から広がらず、評価だけが早く始まる」であり、読者が得たい変化は「自分にも新しい案を生み出せるという手応えがほしい」です。この四点を一続きで捉えると、別の本の型を当てはめるのではなく、本書固有の問いが見えてきます。
実践では「一つの課題で判断を止めず、15分で量を出してから異なる二案を組み合わせる」から始め、「案数だけでなく、顧客の反応、選択肢の差、試作までの速度を追う」という結果を確かめます。一方で「道具の数を試すことが目的になると、顧客課題も実現条件も弱い案が増える」という読み違いが起きると、本書の方法は逆効果になり得ます。行動、確認方法、注意点を一組にして扱うことが、考具を仕事で生かす条件です。