CHAPTER 02 / CHECKどこまで使えるかを、別の角度から確かめる
6. そのまま使うと失敗しやすい点
最も注意したいのは、奇抜さを目的にすると、顧客に必要とされない話題づくりで終わることです。
印象に残る言葉だけを切り出すと、本書が示す条件や順序が抜け、以前と同じ行動へ新しい名前を付けただけになります。
使える範囲を決めるには、対象者、目的、期間、失ってはいけない価値を明記します。パン屋ではおにぎりを売れと異なる説明でも同じ結果が起きる可能性を残し、結果が弱いときは方法より先に前提を見直します。
7. おすすめする人と読後の問い
パン屋ではおにぎりを売れは、企画初心者、編集、営業、商品開発におすすめです。
過去の成功商品を少し変える案しか出ず、顧客の新しい状況を捉えられないという悩みを、根性やセンスだけで片づけず、観察と選択の問題として扱いたい人ほど持ち帰りが多いでしょう。
読み終えたら、「自分は何を当たり前だと思っていたか」「その前提で困るのは誰か」「既存商品の前提を十個書き、その一つを反転した案を顧客状況に当てると何が分かるか」の三問に答えます。答えを一枚にまとめると、知識が行動へ移りやすくなります。
最後に、新規性の評判だけでなく、理解、試用、再利用、採算を確認するという確認方法を予定へ入れます。本を読んだ満足感と仕事の改善は別です。試す日、振り返る日、やめる条件を先に決めることで、学びを小さな成果へ変えられます。
8. 一週間で理解を深める読み方
一週間で理解を深める読み方
初日は『パン屋ではおにぎりを売れ』の目次を眺め、自分がいま抱えている「過去の成功商品を少し変える案しか出ず、顧客の新しい状況を捉えられない」という悩みに近い章へ印を付けます。最初からすべてを覚えようとせず、現在の判断に必要な問いを一つ持って読むと、重要な箇所と補助的な事例を分けやすくなります。
三日目までに、印象に残った考えを自分の言葉で百字にし、「既存商品の前提を十個書き、その一つを反転した案を顧客状況に当てる」という行動へ変えます。本の言葉をそのまま社内へ持ち込むのではなく、誰に、いつ、何を試すのかを書き足します。関係者へ説明して違和感を聞くと、理解の抜けも見つかります。
一週間後は「新規性の評判だけでなく、理解、試用、再利用、採算を確認する」という観点で、実際に起きた変化を振り返ります。変化がなければ読書を失敗と考えず、対象が広すぎたのか、方法が難しかったのか、前提が違ったのかを分けます。この振り返りまで行うことで、本書は知識の収集ではなく次の判断を良くする材料になります。
9. 『パン屋ではおにぎりを売れ』ならではの注目点
答えを急がず、考えを広げる工程と深める工程を分けて意外な選択肢をつくる。
その動きを支えるのが、ずらす、掛け合わせる、逆にするなどの型で固定観念を外すという考え方です。出発点になる問題は「過去の成功商品を少し変える案しか出ず、顧客の新しい状況を捉えられない」であり、読者が得たい変化は「ありきたりを越え、自分の考えで驚きと納得を生みたい」です。この四点を一続きで捉えると、別の本の型を当てはめるのではなく、本書固有の問いが見えてきます。