先に答え:この本は何に使える?
差を軸ごとに可視化する。この考え方を自分の課題に当てはめたいなら、『The Culture Map』を読む意味がある。
この本の考え方は、現実でも使えるか
『The Culture Map』が示す答えは、「差を軸ごとに可視化する」である。本書は、この考えを異文化協働・組織コミュニケーションの判断にどう使うかを説明する。
使いやすい条件
- 異文化協働について、知識の収集ではなく具体的な判断基準がほしい人
- 「相対位置で運用を変える」を自分の仕事や生活で試したい人
そのまま使わない方がよい条件
- 異文化協働の全体像より、すぐ使えるチェックリストだけを短時間で探している人
- 文化尺度は会話の出発点であり、個人を固定分類する道具ではないを受け入れにくい人
Accenture:多国籍チームの合意と評価方法を案件特性に合わせる
Erin Meyer/PublicAffairs/2014年/ISBN 9781610392594/英語版
本書は、何をどう説明しているか
『The Culture Map』は、文化差を国民性のラベルでなく、伝達、評価、合意、信頼などの相対的な尺度で捉えるという視点から、相手との距離を軸ごとに比較し、会議、文書、意思決定の運用を調整する方法を示す。本稿では内容紹介にとどまらず、同じ言葉でも期待する明示度と合意手順が違う国際協働の状況を起点に、行動障壁、同じ目的を満たす別の選択肢、事業KPI、財務への波及まで検討する。
1. いちばん伝えたいことと、読む前に置くべき問い
いちばん伝えたいことと、読む前に置くべき問い
『The Culture Map』の中心は、文化差を国民性のラベルでなく、伝達、評価、合意、信頼などの相対的な尺度で捉えるという主張にある。ここで重要なのは言葉を覚えることではなく、現在の事業で何を誤認している可能性があるかを問うことだ。相手との距離を軸ごとに比較し、会議、文書、意思決定の運用を調整するという手順を、自社の顧客、競合、能力、収益構造に置き直して初めて実務で使える。



