先に答え:この本は何に使える?
『Turn the Ship Around!』の価値は、意図を言葉にして判断するという見方を、実際の判断に使えるところにある。
この本の考え方は、現実でも使えるか
『Turn the Ship Around!』が示す答えは、「意図を言葉にして判断する」である。本書は、この考えを権限委譲・自律型組織の判断にどう使うかを説明する。
使いやすい条件
- 権限委譲について、知識の収集ではなく具体的な判断基準がほしい人
- 「情報の近くへ権限を移す」を自分の仕事や生活で試したい人
そのまま使わない方がよい条件
- 権限委譲の全体像より、すぐ使えるチェックリストだけを短時間で探している人
- 高リスク領域では禁止線、監査、緊急停止権を明確にする必要があるを受け入れにくい人
トヨタ:現場停止権と品質基準を両立する
L. David Marquet/Portfolio/2013年/ISBN 9781591846406/英語版
本書は、何をどう説明しているか
『Turn the Ship Around!』は、命令に従う組織を、意図を宣言して自ら判断するリーダーの組織へ変えるという視点から、決定権を情報の近くへ移し、能力と明確さを同時に高める方法を示す。本稿では内容紹介にとどまらず、現場が問題を知っていても、上司の許可待ちで反応が遅れる組織状況を起点に、行動障壁、同じ目的を満たす別の選択肢、事業KPI、財務への波及まで検討する。
1. いちばん伝えたいことと、読む前に置くべき問い
いちばん伝えたいことと、読む前に置くべき問い
『Turn the Ship Around!』の中心は、命令に従う組織を、意図を宣言して自ら判断するリーダーの組織へ変えるという主張にある。ここで重要なのは言葉を覚えることではなく、現在の事業で何を誤認している可能性があるかを問うことだ。決定権を情報の近くへ移し、能力と明確さを同時に高めるという手順を、自社の顧客、競合、能力、収益構造に置き直して初めて実務で使える。



