先に答え:この本は何に使える?
『Customer Success』の価値は、顧客成果を契約時に定義するという見方を、実際の判断に使えるところにある。
この本の考え方は、現実でも使えるか
『Customer Success』が示す答えは、「顧客成果を契約時に定義する」である。本書は、この考えを顧客成功・継続収益の判断にどう使うかを説明する。
使いやすい条件
- 顧客成功について、知識の収集ではなく具体的な判断基準がほしい人
- 「リスク兆候を先行検知する」を自分の仕事や生活で試したい人
そのまま使わない方がよい条件
- 顧客成功の全体像より、すぐ使えるチェックリストだけを短時間で探している人
- 手厚い支援を全顧客へ均等提供すると、継続売上より提供原価が膨らむを受け入れにくい人
Salesforce:席数より業務成果と部門拡張を更新判断へつなぐ
Nick Mehta、Dan Steinman、Lincoln Murphy/Wiley/2016年/ISBN 9781119167969/英語版
本書は、何をどう説明しているか
『Customer Success』は、サブスクリプションでは契約がゴールではなく、顧客が成果を得て更新・拡張するまでが販売であるという視点から、期待成果、利用健全性、リスク兆候、能動支援を顧客セグメント別に設計する方法を示す。本稿では内容紹介にとどまらず、導入したが業務定着せず、解約を決めるまで不満を表明しない契約顧客を起点に、根源的な欲求、行動障壁、同じ目的を満たす別の選択肢、事業KPI、財務への波及まで検討する。
1. いちばん伝えたいことと、本書固有の射程
いちばん伝えたいことと、本書固有の射程
『Customer Success』の核は、サブスクリプションでは契約がゴールではなく、顧客が成果を得て更新・拡張するまでが販売であるという主張にある。期待成果、利用健全性、リスク兆候、能動支援を顧客セグメント別に設計するという考え方は、施策を増やすための型ではない。現状の意思決定で何を成果と誤認し、どの前提を検証できていないかを明らかにするために使う。



